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iPS由来NKT細胞で頭頸部がん治療の安全性確認
要約
千葉大と理研の治験で、iPS由来のNKT細胞を頭頸部がん患者10人に投与し、重篤な副作用はなく安全性が確認されました。投与後の評価で腫瘍の増大抑制や一部で縮小が見られ、チームは約10年での実用化を目指すとしています。
本文
千葉大学と理化学研究所の研究チームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製したNKT細胞を頭頸部がん患者に投与する治験を行い、結果を発表しました。治験は令和2~5年にかけて実施され、手術や抗がん剤などの標準治療で治療が困難だった40~70代の患者10人が対象でした。研究では健常者由来のNKT細胞を一度iPS細胞に戻して増やし、再びNKT細胞に分化させて保存・大量培養した細胞を腫瘍に栄養を送る動脈に投与しました。投与は最大で3回行われ、重篤な副作用は報告されませんでした。研究チームは安全性の確認とともに有効性の兆候が見られたとしています。
報告された点:
・対象は頭頸部がんの患者10人で、治験期間は令和2~5年。
・iPS細胞化してから再分化させたNKT細胞を凍結保存し、必要時に大量培養して投与した。
・最初の3人に約4500万個、残り7人に約1億5千万個をそれぞれ投与し、最大で3回の投与を実施した。
・1人に全身の発疹が生じたが短期間で回復したと報告されている。
・投与から6週間後の評価では8人中5人で腫瘍の増大が抑制され、2人で長径が11~12%縮小した。
まとめ:
今回の治験では重篤な合併症は確認されず、安全性の確認と治療効果の兆候が示されたとされています。臨床的な影響の程度は今後の追加試験で明らかになる見込みで、研究チームは約10年程度での実用化を目指すと述べています。
