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東大、宇宙複屈折の回転角特定手法を考案
要約
東京大学などの国際研究チームは、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光が回転する現象で生じる位相不定性を制限する解析手法を考案しました。理論計算でEB相関に回転回数の情報が刻まれることを示し、現行・次世代の観測で不定性を大幅に軽減できるとしています。
本文
東京大学を中心とする国際共同研究チームは、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光がわずかに回転する「宇宙複屈折」の観測で生じる位相不定性を制限する手法を理論的に考案したと発表しました。研究成果はPhysical Review Lettersに掲載されています。CMBの偏光は宇宙の初期条件や未知の物理を探る手がかりとなるため、回転角の正確な測定が重要視されています。従来は観測から得られる偏光の向きだけでは回転回数が不定になり、多くの候補が存在する問題がありました。今回の研究は、その不定性を解析的に扱う方法を示した点で注目されています。
主な示された点:
・東大を含む国際共同チームが位相不定性を制限する新たな解析手法を考案したこと。
・理論計算で、EB相関の信号形状に偏光が何回転したかの情報が刻まれることを示したこと。
・この手法により、現在の観測データや次世代の観測(サイモンズ天文台やLiteBIRDなど)で不定性を大幅に軽減できるとしたこと。
・位相不定性を考慮すると、これまで影響が想定されなかったEE相関にも影響が及ぶ可能性があること。
・成果はPhysical Review Lettersに報告され、研究チームはさらなる詳細検証を進めるとしていること。
まとめ:
今回の手法は、CMB偏光の回転角を特定する際の位相不定性という問題に対する理論的な解決策を提示しています。EB相関の詳細解析が観測の不定性軽減に寄与する点が示され、サイモンズ天文台の2025年のファーストライトや、2032年度打ち上げを目指すLiteBIRDなど次世代観測との組み合わせで活用が期待されます。光学的厚み(EE相関)への影響については今後の検証が続くため、現時点では未定です。
