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諏訪湖の御神渡り、発生メカニズムの論文化
要約
結氷した諏訪湖などで起きる隆起現象「御神渡り」について、東海林明雄さんが45年の観測記録を整理し、日中の氷の熱膨張が発生・成長の主因であると実測で示す論文を日本雪氷学会誌に発表しました。屈斜路湖のミリ単位の移動データや動画解析を用いて、破壊移動と滑り移動の存在も報告しています。
本文
結氷した湖面が山脈状に隆起する「御神渡り」は長年の観察対象でした。北海道教育大名誉教授の東海林明雄さんが、1977年からの研究を踏まえ、屈斜路湖などの観測データを整理して初めて論文としてまとめました。今年7月に日本雪氷学会誌「雪氷」に掲載され、従来の考え方と2009年に提示された新説の検証が論文の出発点になっています。
発表された点:
・論文は東海林明雄さん(83)がまとめ、2025年7月号の学会誌に掲載されたこと。
・主に1990年代の屈斜路湖の観測で、氷板の移動をミリ単位で計測し、夜間に収縮し日中に膨張する挙動を数値で示したこと。
・観測では膨張量が収縮量を上回り、膨張する氷板同士が亀裂部で衝突して隆起が生じるとしたこと。
・御神渡りには瞬間的に膨張する「破壊移動」と緩慢な「滑り移動」があり、破壊移動は滑り移動の約200倍の速度で起きるとしたこと。
・2009年に浜口博之氏が示した「夜間の収縮が関与する」という新説を踏まえ、観測記録で熱膨張説を改めて検証したこと。
まとめ:
論文は日中の熱膨張メカニズムを観測記録に基づいて示した点を意義としており、御神渡りが出現しやすい湖の条件も整理しています。諏訪湖は近年出現頻度が減少しており、八剱神社が来年1月5日から早朝観察を始める予定です。現時点では今後の出現傾向は未定です。
