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東北大、木星プラズマトーラスの歪み特定
要約
東北大学の国際共同研究チームがJunoの紫外線オーロラ画像を解析し、イオ由来のプラズマトーラスの歪みを360度全方位で特定しました。地方時3時42分~15時42分方向に歪むとし、長期変動の可能性も示しています。
本文
東北大学の研究チームは、NASAの探査機ジュノーが取得した紫外線オーロラ画像を用い、木星を取り巻く高密度なプラズマトーラスの空間構造を解析しました。地上観測では地球と木星の位置関係の制約から向きの決定が難しかった問題に対し、ジュノーの全方位観測を活用して歪みの真の向きを調べています。解析には2016年から2022年にかけてのJuno-UVSデータを用い、オーロラ中に現れるイオのフットプリント位置とシミュレーションの比較でフラックスチューブ質量柱密度を推定しました。研究成果は学術誌にまとめられています。
報告されている点:
・Junoの紫外線オーロラ画像を使い、プラズマトーラスを360度全方位で観測できる解析を行った。
・解析はイオのフットプリントオーロラの位置とシミュレーションの比較に基づくフラックスチューブ質量柱密度の推定を中心にしている。
・算出結果では、地方時3時42分に質量柱密度が最大、15時42分に最小となり、トーラスが地方時3時42分~15時42分方向に歪んでいると示された(決定誤差±53分)。
・この歪みは朝夕電場による電磁力の作用と整合し、先行研究との比較から長期的な時間スケールで変動する可能性が示唆されている。
・地上望遠鏡では向きの制約が残ったのに対し、本手法は視角制約を排して向きの決定が可能になる利点がある。
まとめ:
今回の手法は従来の制約を克服してプラズマトーラスの歪み方向を特定する新たな枠組みを提供しています。生活面での直接的影響は少ない一方、プラズマ環境の理解はエウロパやガニメデを含む木星系衛星の環境評価に関わる点で重要であり、今後は「ひさき」など他の観測データと組み合わせる研究でさらに詳細な磁気圏変動の解明が期待されます。
