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液漏れしない全固体マグネシウム電池
要約
筑波大学は窒素ドープ多孔質グラフェンを正極、マグネシウムを負極に用い、電解質をポリマーゲルで固体化した全固体マグネシウム空気二次電池を発表しました。液漏れせず充放電で元の状態に戻る挙動を確認し、レアメタル不要で低コスト化の可能性が示されています。
本文
筑波大学は2月16日、電解質を固体化して液漏れのない全固体マグネシウム空気二次電池を開発したと発表しました。マグネシウム空気二次電池は空気中の酸素を正極活物質として利用するもので、塩化物イオンによる内部の塩化で性能が低下する課題がありました。研究チームは塩化に強い窒素ドープの多孔質グラフェンを正極に採用し、化学気相蒸着(CVD)でグラフェンを成長させた後に母材を溶解して多孔質構造を得ています。負極には市販のマグネシウム、電解質には塩化マグネシウムを染み込ませた市販ポリマーゲルを用い、折り曲げにも耐える全固体構造を実現しています。
報告されている点:
・正極は窒素ドープ多孔質グラフェン、負極は市販マグネシウム、電解質は塩化マグネシウムを含浸させたポリマーゲルを使用している。
・多孔質グラフェンはCVDで成長させ、母材を酸で溶解して作製している。
・評価では白金系電極を用いた場合より高い性能を示したと報告されている。
・透過型電子顕微鏡観察では半分放電時にグラフェン膜上にフィルム状の放電物質が現れ、完全放電時にはチューブ構造内部まで詰まる変化が確認された。
・完全充電で放電物質が消え初期のグラフェン状態に戻ることから、劣化しにくい挙動が示された。
・電池を折り曲げても液漏れせず、元に戻してもほぼ同等の充放電性能を維持したと報告されている。
まとめ:
今回の発表はレアメタルや貴金属を用いない二次電池の一例として低コスト化の可能性を示しています。透過型電子顕微鏡での挙動確認や曲げ試験での耐久性が報告されていますが、実用化の時期や量産化に関する具体的な日程は現時点では未定です。研究は今後も継続するとしています。
